相続税申告書の提出義務者と提出先

Q.母親に相続が発生しました。相続人は長男、二男、長女の3人です。相続税の申告期限までに遺産分割協議を成立させるのは難しい状況です。相続税の申告書を3人が別々に提出することは可能なのでしょうか。

◆ポイント!

①相続税の申告書は、相続または遺贈により財産を取得し、相続税額が生じる場合(配偶者の税額軽減の規定がないものとして計算した場合)に、相続があったことを知った日の翌日から10カ月以内に納税地を所轄する税務署に提出しなければなりません(相続税法27条1項)

②申告において、被相続人の住所地(国内に住所を有する場合)が納税地とされ、納税地を所轄する税務署に申告書を提出します(相続税法附則3項)。

③共同相続人が2人以上で、相続税の申告書の提出先税務署が同じ場合は、共同して申告書を提出することができます(相続税法27条5項)。

A.相続税の相続税の申告書の提出期限は、原則として相続が発生した日の翌日から10カ月です。提出義務者は、「相続または遺贈により財産を取得した者(相続時精算課税により財産を取得したものも含む)」で、「相続税額(配偶者に対する相続税額の軽減の規定の適用がないものといて計算した金額)があるとき」とされています。つまり、財産を取得しなかった法定相続人には、相続税の申告書の提出義務がないことになります。